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RuvAはヘリカーゼ(helicase)ではありません

2009年9月10日

ネットにあふれている間違った情報のひとつとして、紹介。

Wikipediaでリカーゼ(helicase)の項目を引くと、大腸菌RuvA蛋白質の立体構造が載っている。また、Googleで『RuvA ヘリカーゼ』の検索語で引くと、これに言及したたくさんのページがあることがある。

しかし、RuvAにはhelicaseモチーフは認められない。加えて、RuvAにhelicase活性が有るという報告は無いはずである。

この蛋白質は、RuvB蛋白質と複合体を形成する。形成されたRuvAB複合体は、helicase活性を示す。したがって、RuvA蛋白質はRuvAB helicaseのサブユニットであり、その意味ではDNA helicaseの構成成分である。蛋白質のデータバンクで『Holliday junction ATP-dependent DNA helicase ruvA』などと紹介されているのは、そのため。

RuvAB複合体を取り上げてhelicaseと紹介するのはよいが、RuvAだけを取り上げてhelicaseと考えるのは、明らかに間違い。立体構造を紹介するのなら、RecQ辺りがいいのではないだろうか。

ちなみに、Googleで『RuvA helicase』の検索語で引いた場合に上位にでてくる各ページには、問題になりそうなものは無かった。必ずRuvBと合わせて紹介されているからである。

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