私がハイブリッド車を運転したくない理由
2010年2月4日
1年半ほど前のこと、職場の同僚が新しいハイブリッド車を買ったと言うので、助手席に乗せてもらった。
確かに面白い。彼が運転席に座ってキーを挿してもエンジン音はしない。そのまましばらく走って、その後エンジンがスタートする。交差点で停止すると、エンジンも停止。信号が青に変わると音もなく発信し、少し遅れてエンジンの始動音、そして、エンジンの回る音。
運転席の同僚は、こんなことも出来るよと、にわかに車に向かってしゃべってみせてくれた。『Where is the nearest Japanese Restaurant?』インド語なまりの英語(彼は、インド人)だが、車載のコンピューターはちゃんとそれを認識し、近くのレストランを画面に表示した。『Teriyaki Express』が日本食レストランと言えるかどうかは別として(笑)、彼の早口のなまった英語でも実用上の問題はないようだ。
ところで、インド人は皆、英語がうまい。あの機関銃のような早口の英語は、われわれ外国人には聞き取るのが凄く難しいのであるが、Native Speakersには問題ないらしい。むしろ、我々日本人の英語の方が聞き取りにくいらしく、私が話すと何回も聞き直しをされる。そんなことを気にしていたら、仕事にならないし生活もできないので、かまわずしゃべり続けるのだけれど。
閑話休題。ハイブリッド車は、その特性から、かならずオートマチック車である。私は、このオートマチック車というものがすこぶる苦手で、どうも好きになれない。私が免許を取得したときには、オートマチック限定というものがなかったので、当然ながらマニュアルミッション車の運転の仕方を習った。発進するときは半クラッチ。こうしないと、エンジンが停止してしまう。走り始めるとすぐにセカンド・ギアに切り替える。あとは、スピードに応じて順次、サード、トップへ。ギアを切り替えるたびに、クラッチをはずし(クラッチペダルを踏む)、無事にギアが入ったことを確認して、クラッチを繋ぎ直さなければならない。面倒と言えば、面倒である。
運転免許を取った当時よく付き合っていた友達は、多くが車好きであった。このことが多少影響していると思うが、ずっとマニュアル車に乗っている。今までに新車、中古車合わせて4台の車を購入しが、すべてマニュアル車である。ギアの切り替えのたびにクラッチペダルを踏まないといけないことは、別に面倒でもないし、苦にもならない。むしろ、『車を運転している』という喜びがそこから得られるような気もしている。
オートマチック車に関しては、友達の車やレンタカーを運転したことがある。左足を使わなくてよいのは、確かに楽である。感覚としては、『ゴーカート』を運転しているような感じだ。楽なのだが、どうも気に入らないところがある。エンジンをかけて発進するとき、まずブレーキペダルを踏む。次に、ギアをニュートラルからドライビングに切り替える。ここで、ブレーキペダルの踏み込みをほんの少し緩めるだけで、ゆっくりとではあるが発進してしまう。この、ブレーキを踏んでいるにもかかわらず前に進むというのが、どうも私の感覚と合わないのである。
私としては、この現象を次のように理解してしまうのだ。
ギアがニュートラルになっているときは、前には進まない。これは、ブレーキを踏んでいないし、アクセルペダルも踏んでいない状態で、である。この、ブレーキもアクセルも踏まない状態を、『デフォルト』状態と呼ぶことにする。ギアがニュートラルのときは、デフォルトで、停止である。ところが、ギアをドライビングにしたとたん、デフォルトが前進となってしまう。どうも、これに慣れることができないのだ。
同じことは、減速するときにも言える。普通に走っていて、何らかの理由で停止しないといけないとき(信号が赤になったとか、障害物があらわれたとか)、当然ブレーキを踏むのだが、私の感覚では、このときに減速を開始するのが遅いと感じるのだ。マニュアル車を運転しているときと比べて、0.5秒くらい遅く感じる。これは多分、デフォルト状態が前進であるからだと思われる。つまり、障害物があるとき、まずアクセルから足を離し、次にブレーキペダルに足を乗せる。この0.5から1秒くらいの間、デフォルト状態になるのだが、ここで前に進んでしまうのである。
この事について、オートマチック車の開発者に話をすると、多分こんな返事が返ってくるだろう。『オートマチック車とはそんなものですよ。慣れてださい。』しかし、これに慣れないと安全にオートマチック車に乗れないのであれば、自分の感覚を、無理矢理慣らしてまで乗ろうと思わない。ブレーキの効きが0.5秒遅くなるというその感覚は、いざ事故に遭いそうになった時は致命的であり、怖くて運転できないからだ。
新型のハイブリッド車では、ブレーキが効きにくいといった苦情があるそうだ。副社長いわく、『フィーリングの問題』なのだとか。新しい技術が入れば入るほど、運転者の『フィーリング』と車の挙動との開きが、ますます大きくなってしまうのではないかと思う。このニュースを聞いて、多分私は一生ハイブリッド車、あるいは同様の制御をする電気自動車に乗らないだろうと思った。ずっと、マニュアル車で行こう。ギアシフトがおっくうだと感じるような年齢になったら、車の運転を止めればよい。
確かに面白い。彼が運転席に座ってキーを挿してもエンジン音はしない。そのまましばらく走って、その後エンジンがスタートする。交差点で停止すると、エンジンも停止。信号が青に変わると音もなく発信し、少し遅れてエンジンの始動音、そして、エンジンの回る音。
運転席の同僚は、こんなことも出来るよと、にわかに車に向かってしゃべってみせてくれた。『Where is the nearest Japanese Restaurant?』インド語なまりの英語(彼は、インド人)だが、車載のコンピューターはちゃんとそれを認識し、近くのレストランを画面に表示した。『Teriyaki Express』が日本食レストランと言えるかどうかは別として(笑)、彼の早口のなまった英語でも実用上の問題はないようだ。
ところで、インド人は皆、英語がうまい。あの機関銃のような早口の英語は、われわれ外国人には聞き取るのが凄く難しいのであるが、Native Speakersには問題ないらしい。むしろ、我々日本人の英語の方が聞き取りにくいらしく、私が話すと何回も聞き直しをされる。そんなことを気にしていたら、仕事にならないし生活もできないので、かまわずしゃべり続けるのだけれど。
閑話休題。ハイブリッド車は、その特性から、かならずオートマチック車である。私は、このオートマチック車というものがすこぶる苦手で、どうも好きになれない。私が免許を取得したときには、オートマチック限定というものがなかったので、当然ながらマニュアルミッション車の運転の仕方を習った。発進するときは半クラッチ。こうしないと、エンジンが停止してしまう。走り始めるとすぐにセカンド・ギアに切り替える。あとは、スピードに応じて順次、サード、トップへ。ギアを切り替えるたびに、クラッチをはずし(クラッチペダルを踏む)、無事にギアが入ったことを確認して、クラッチを繋ぎ直さなければならない。面倒と言えば、面倒である。
運転免許を取った当時よく付き合っていた友達は、多くが車好きであった。このことが多少影響していると思うが、ずっとマニュアル車に乗っている。今までに新車、中古車合わせて4台の車を購入しが、すべてマニュアル車である。ギアの切り替えのたびにクラッチペダルを踏まないといけないことは、別に面倒でもないし、苦にもならない。むしろ、『車を運転している』という喜びがそこから得られるような気もしている。
オートマチック車に関しては、友達の車やレンタカーを運転したことがある。左足を使わなくてよいのは、確かに楽である。感覚としては、『ゴーカート』を運転しているような感じだ。楽なのだが、どうも気に入らないところがある。エンジンをかけて発進するとき、まずブレーキペダルを踏む。次に、ギアをニュートラルからドライビングに切り替える。ここで、ブレーキペダルの踏み込みをほんの少し緩めるだけで、ゆっくりとではあるが発進してしまう。この、ブレーキを踏んでいるにもかかわらず前に進むというのが、どうも私の感覚と合わないのである。
私としては、この現象を次のように理解してしまうのだ。
ギアがニュートラルになっているときは、前には進まない。これは、ブレーキを踏んでいないし、アクセルペダルも踏んでいない状態で、である。この、ブレーキもアクセルも踏まない状態を、『デフォルト』状態と呼ぶことにする。ギアがニュートラルのときは、デフォルトで、停止である。ところが、ギアをドライビングにしたとたん、デフォルトが前進となってしまう。どうも、これに慣れることができないのだ。
同じことは、減速するときにも言える。普通に走っていて、何らかの理由で停止しないといけないとき(信号が赤になったとか、障害物があらわれたとか)、当然ブレーキを踏むのだが、私の感覚では、このときに減速を開始するのが遅いと感じるのだ。マニュアル車を運転しているときと比べて、0.5秒くらい遅く感じる。これは多分、デフォルト状態が前進であるからだと思われる。つまり、障害物があるとき、まずアクセルから足を離し、次にブレーキペダルに足を乗せる。この0.5から1秒くらいの間、デフォルト状態になるのだが、ここで前に進んでしまうのである。
この事について、オートマチック車の開発者に話をすると、多分こんな返事が返ってくるだろう。『オートマチック車とはそんなものですよ。慣れてださい。』しかし、これに慣れないと安全にオートマチック車に乗れないのであれば、自分の感覚を、無理矢理慣らしてまで乗ろうと思わない。ブレーキの効きが0.5秒遅くなるというその感覚は、いざ事故に遭いそうになった時は致命的であり、怖くて運転できないからだ。
新型のハイブリッド車では、ブレーキが効きにくいといった苦情があるそうだ。副社長いわく、『フィーリングの問題』なのだとか。新しい技術が入れば入るほど、運転者の『フィーリング』と車の挙動との開きが、ますます大きくなってしまうのではないかと思う。このニュースを聞いて、多分私は一生ハイブリッド車、あるいは同様の制御をする電気自動車に乗らないだろうと思った。ずっと、マニュアル車で行こう。ギアシフトがおっくうだと感じるような年齢になったら、車の運転を止めればよい。