一般的なこと

初めてのTQFP

2013年9月15日

MicrochipのPIC32MX150F128Bは、DIPパッケージで、32 KBのRAMを搭載し32 bitのCPUが50 MHzで走る。DIPパッケージでこれだけの性能を持っているチップは例外中の例外で、私の知っている限りよそでは見あたらない。32 KB以上のRAMを持っている物は、QFNとかTQFPとか、表面実装のチップばかりである。

開発を続けているKM-Z80 miniは、現在の所28 KBのRAMを搭載したMZ-80Kをエミュレートしている。MZ-80Kは最大48 KBのRAMを搭載することが出来るので、KM-Z80 miniでも、ゆくゆくはこの容量のRAMを搭載したい。それには、52 KB以上のRAMを搭載したマイコンが必要であるが、残念ながらDIPパッケージでこれだけのRAMを持っている物は無いようだ。

大容量のRAMを実現する方法は、2つ。一つは、大容量RAMを持つチップを利用すること。もう一つは、RAMを外付けで利用すること。一つ目の方法を実現するには、DIPパッケージでは無理で、表面実装の物になる。二つ目の方法では、速度の速いパラレル接続を行うには、やはり表面実装のチップになる。これは、MIPSやARMなどの高速のCPUを持ち、かつI/Oピンの数の多いものは、やはり表面実装になるためである。他方で、ピン数の少ないSPI接続のRAMがPIC32MX150F128Bで使えるが(共に、DIPパッケージ)、この場合はデーターの読み込み速度が問題になる。2 MHzのZ80をエミュレートしているKM-Z80 miniでは何とかなりそうな気もしたが、いずれMZ-700のエミュレートも行うとすると、速度が追いつかない可能性が高い。

そういったことを考え、やはり表面実装のチップもちゃんと扱える用になっておいた方が良いだろうと考え、トライしてみた。

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TQFP-64のチップ(PIC32MX350F256H)を使うことにし、それを1/10インチ幅のピッチに変換するアダプターを購入し、半田付けすることにした。この半田付けに関して参考になったのは、以下の2つの動画。




あと、やってみて分かったのは、電子工作用の、洗浄の必要がないFluxを利用する必要があると言うこと。実は、この記事のタイトルは「初めてのTQFP」となっているが、実際は2回目である。一回目の挑戦(PIC32MX695F512H)では安物のFluxを利用して、それが原因と思われる現象で失敗した。今回の半田付けでは新たに購入したFluxを利用し、位置の確認や余分な半田を取り除くなどの行程を、1時間ほどの時間をかけてゆっくり確実に行っなって、綺麗に仕上げた。このFluxは洗浄の必要がないということになっているが、半田付け後は出来る限り取り除いた。

記事最初の写真は、そのようにしてアダプタに半田付けしたPIC32MX350F256Hをユニバーサルボードに載せ、必要最小限のキャパシタとPickit3用のコネクタを接続した物。無事にPickit3との接続が確認でき、今まで通り開発を続けることが出来るようになっている。これで、48 KB搭載のKM-Z80 miniの完成にめどが付いた

TQFPパッケージのチップも、時間をかけて慎重にアダプターに半田付けすれば、DIPパッケージの物と同様に使えるようになったと思う。これが出来ると応用範囲が広がるので、色々と楽しみが増える。PSoC3などもやってみたい。

ところで、キャパシタも表面実装の物をトライしてみた。10 μFは2 mm幅のパッケージ、0.1 μFは1 mm 幅のパッケージを購入。2 mm幅の物はごまより少し大きいぐらいのサイズであるが、1/10インチ幅のユニバーサル基板にはちょうど良い大きさで、気に入った。1 mm 幅のものはケシの種ぐらいの大きさで、吹けば飛ぶよう。これについては、実体顕微鏡でもなければ、扱うのは無理のようだ。

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